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ゲームラグ白書 › L4 インターネット回線

衛星インターネット(低軌道・静止軌道) Satellite internet (LEO, GEO)

原因ID isp-satellite · 主担当 外部・外部 · 副担当 ゲーム開発チーム・クライアント開発, ゲーム開発チーム・サーバー開発

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衛星インターネットは電波が宇宙を往復するため、静止軌道衛星では往復だけで0.5秒を超えます。Starlinkのような低軌道衛星は普段は速いものの、経路を割り当て直す瞬間に遅延が揺れ、一瞬途切れることもあります。

なぜ 自宅・船・飛行機から、静止軌道衛星や低軌道衛星のインターネット、衛星を使う機内Wi-Fiで接続 → すると 静止軌道は高度が約36,000kmあり、往復する距離そのものが長い。低軌道は端末・衛星・地上局の経路を短い周期で割り当て直し、その瞬間に遅延・パケットロスが一時的に発生 → 画面では 静止軌道はすべての操作に大きな入力遅延。低軌道は普段は問題ないが、一定の間隔でカクつき・ワープ

症状
入力遅延, カクつき, ワープ
要因
遅延, ジッター, パケットロス
誰に起きるか
自分だけ, 同じ家, 特定の地域・ISP
いつ
常に, 一定の周期で
担当
主担当 外部・外部 · 副担当 ゲーム開発チーム・クライアント開発, ゲーム開発チーム・サーバー開発
ゲーム開発チームの対応
クライアント:ジッターに合わせて補間バッファの長さを自動で延ばす、短いパケットロスに耐えられるよう入力を重複送信、接続品質の表示。サーバー:判定の受付時間やラグコンペンセーションの上限を決めるときに衛星回線の遅延を考慮、1秒前後の途切れですぐに切断しないタイムアウト。
外部の対応
ユーザーに、衛星インターネットは遅延が大きかったり周期的に跳ねたりすることがあると案内、対戦コンテンツではできるだけ地上の有線回線を使うよう案内。
数値の目安
静止軌道(高度36,000km)は、電波が宇宙を通過するだけで片道260ms、往復で520msを超えます(ITU-T G.114)。低軌道のStarlinkは、公式資料(15秒平均値)で米国のピーク時間帯の中央値が33ms、最も悪い1%(p99)でも65ms未満です(2024年)。測定研究では、15秒ごとに経路を割り当て直す瞬間に遅延が変わり、1秒未満の短い途切れが発生していました。2018年の機内インターネットの測定では、衛星方式の往復遅延は平均750msでした。
グラフでは
一部だけ高い · RTT・ジッター(衛星インターネット事業者のASN別)
確認箇所
接続元IPのASNが衛星インターネット事業者かを確認し、その事業者のユーザーだけでRTT分布と時系列を描画。そのASNのRIPE Atlasプローブからサーバーまでpingを数分間続けて測定するか、ユーザーにpingを実行したままにしてもらい、跳ねる間隔を測定
該当する場合
静止軌道の事業者はRTTが常に500msを超え、低軌道の事業者は普段は数十msで、約15秒間隔でRTTが変わるか短く途切れる
該当しない場合
衛星事業者ではないのにRTTが常に高ければ「伝搬遅延(物理的な距離)」か「迂回ルーティング」、不規則に跳ねるならWi-Fi・モバイルの電波側
確認手段
インフラのツールで確認(ゲームコード不要)
もっと詳しく
低軌道衛星は衛星までの距離が短いため(Starlinkの1区間で1.8〜3.6ms)、普段の遅延は地上回線と同程度になることもあります。ただし、地上局からインターネットに出る地点(PoP)がゲームサーバーから遠ければ、その分だけ経路が長くなり、衛星間のレーザーリンクを経由するとさらに遅延が加わります。測定研究では、15秒周期の揺れは衛星間の切り替えとは関係がなく、世界中で同じ時刻に行われる経路の再割り当てが原因だとみています。機内Wi-Fiは方式(衛星、地上の基地局)によって遅延が大きく異なり、静止軌道衛星を使う方式なら上記と同じ長い往復遅延が発生します。

出典

  1. ITU-T G.114: One-way transmission time ITU
    衛星区間の片道伝搬遅延の計画値:高度400kmで12ms、14,000kmで110ms、36,000km(静止軌道)で260ms
  2. Improving Starlink’s Latency Starlink
    米国ピーク時間帯の中央値48.5ms→33ms、最も遅い1%(p99)150ms超→65ms未満(2024年)、衛星1区間の伝搬1.8〜3.6ms、レーザーリンクを経由すると遅延が加わり、地上局からインターネット接続点(PoP)までの距離も遅延の要因
  3. A Multifaceted Look at Starlink Performance (WWW 2024) ACM
    Starlinkは15秒ごとに世界中で同じ時刻に経路を割り当て直し、その境目で遅延・スループットが揺れ、1秒未満の短い途切れが発生(衛星間の切り替えが原因ではない)、端末↔衛星↔地上局の区間の遅延は約40ms
  4. Mile High WiFi: A First Look at In-Flight Internet Connectivity (WWW 2018) ACM
    機内インターネットの45時間の測定:往復遅延の平均は地上基地局方式で200ms、衛星方式で750ms、衛星方式のパケットロス率の中央値は7%
  5. Probe Selection (RIPE Atlas REST API) RIPE NCC
    RIPE Atlasの測定で、プローブを国・地域・ASN・アドレス帯で選んでping・tracerouteを実行

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