ゲームラグ白書 › L4 インターネット回線
伝搬遅延(物理的な距離) Propagation delay
原因ID isp-distance · 主担当 インフラチーム・サーバーインフラ · 副担当 インフラチーム・ネットワークインフラ, ゲーム開発チーム・サーバー開発
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光ファイバーの中では、光でさえ1秒に約20万kmしか進みません。遠いサーバーは、どれほど性能が良くても遅れます。
なぜ サーバーが遠くにある(海外サーバー、別の大陸) → すると 距離の分だけ往復時間が延びる(1,000kmあたり最低10ms) → 画面では すべての操作に一定の入力遅延、判定で不利
- 症状
- 入力遅延
- 要因
- 遅延
- 誰に起きるか
- 特定の地域・ISP
- いつ
- 常に
- 担当
- 主担当 インフラチーム・サーバーインフラ · 副担当 インフラチーム・ネットワークインフラ, ゲーム開発チーム・サーバー開発
- ゲーム開発チームの対応
- 物理法則はコードでは直せないため緩和のみ可能。近い地域のサーバーを選ばせる地域選択、ラグコンペンセーション(巻き戻し)による判定の不利の軽減。
- インフラチームの対応
- サーバー機器・OS:利用者の多い地域ごとにサーバーを置く。ネットワーク:近くに接続拠点(エッジ)を置く、遠回りの少ない回線・経路を選ぶ。
- 数値の目安
- ソウル・東京間は約30ms、ソウル・シンガポール間は約75ms、ソウル・米国西海岸間は約140ms、ソウル・欧州間は約230〜270msです(往復、実際の経路での値)。欧州へは直線上に大容量のケーブルがほとんどなく、東南アジア・スエズ経由か米国経由で回り込むため、距離から見込むよりずっと長くなります。
- グラフでは
- 最初から常に高い · RTT(国・地域別)
- 確認箇所
- 接続元IPに国情報を付けて国別のRTT分布を確認し、その地域のクラウドリージョンのVMやRIPE Atlasのプローブ(国・ASNで選択)からサーバーまでping・tracerouteで測定
- 該当する場合
- 遠い国のRTTが時間帯に関係なく常に高く、その値が距離から計算した最小遅延(1,000kmあたり往復10ms)や公開されている遅延統計に近い
- 該当しない場合
- 距離で説明できる値よりずっと高ければ「迂回ルーティング」、夜だけ上がるなら「ピーク時間帯のピアリング混雑」
- 確認手段
- インフラのツールで確認(ゲームコード不要)
- 実際の事例
- Riot Games 2015: 遠回りしていたLeague of LegendsのトラフィックとRiot Direct
出典
- ITU-T G.114: One-way transmission time ITU
光ファイバーの伝搬遅延の計画値5µs/km(秒速約20万km、1,000kmの往復で10ms) - Azure network round-trip latency statistics Microsoft Azure
ソウル(Korea Central)を起点とした実測の往復中央値:東京30ms、シンガポール68ms、米国西海岸124〜136ms、欧州234〜244ms - AAE-1 & SMW5 cable cuts impact millions of users across multiple countries Cloudflare
欧州・アジア間のトラフィックは、大半がエジプト(スエズ)を通る海底ケーブルを経由 - Probe Selection (RIPE Atlas REST API) RIPE NCC
RIPE Atlasの測定で、プローブを国・地域・ASN・アドレス帯で選んでping・tracerouteを実行
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